「おにぎり、おいしいなあ」
外に出て、いい景色を見ながらご飯を食べると、普段よりおいしいですよね。
この写真は10月に八幡の川原でおにぎりを食べているときの写真です。年々、外で食べるご飯のおいしさと小さな幸せを実感しています。
「いい景色を見ながら食べると、おいしい」を、ビジネスに生かしている鉄道会社があるので紹介します。
千葉県にあった第三セクターの赤字鉄道会社
「いすみ鉄道」という鉄道会社があります。千葉県の房総半島のローカル線です。
廃線か存続かの選択が必要な万年赤字の路線でした。そこで、再建してくれる社長を公募したところ、航空会社に勤めていたの鳥塚亮氏(現社長)が手を挙げたそうです。2009年のことです。
ローカル線の特色を生かして、「地域の輸送」→「観光鉄道」に切り替えて、再建に成功させているのですが、その社長のブログが面白いんです。
自分たちの素材を生かし、自分たちの身の丈にあった(でも質は良い)商品を作り、どういうお客さんに買ってもらうか。
そんなことが鳥塚亮社長のブログには書かれています。
商売をやっている人に参考になると思います。
長く継続できる商売
こつこつと商売をやっている人であれば、誰もがいいお客様と出会いたいと思うものです。
いいお客様とは、『お金とサービスの交換に無理がない関係が作れるお客様』だと思います。
価格の割に過剰なサービスを求められても売り手は困りますし、顧客を騙して搾取するようなビジネスは長く続きません。
安いものも高いものも、「それなり=それ相応」の商品やサービスであれば健全です。
でも、売り手側は、過剰なサービスが求められたときに、そのお客さんとのつきあいを辞めてしまうのか、なんとかがんばってしまうのか、判断を迫られます。
ブログに、鳥塚社長の考え方が書いてありました。
「うちのお客様にならない方が良いですよ」というメッセージ
「団塊の世代の旅行需要 その2」が、このブログを読むようになったきっかけの記事です。
「イタリアンランチクルーズ列車」という商品があり、鉄道に乗ってイタリアンを楽しむという内容で、発売するとすぐに売り切れてしまう商品だそうです。
「鉄道に揺られながら景色をみながら食べれば、ご飯がおいしくなる」ということを生かしていて、その価値が理解でき、それを楽しめる人をターゲットにしています。
予約はインターネットのみ。
電話で予約してくる人はターゲットにしない、ブランド志向な人もターゲットにしない、と明確に商品に込められています。
それによってターゲットから外れるのは、団塊の世代と説明しています。
鳥塚社長によれば、団塊の世代は
- 手がかかる
- 安くておいしいものが理解できない
- いずれ居なくなる
からだそうです。抜き出した言葉だけ羅列すると、なんだかキツイ言い方ですが…いすみ鉄道では、そういった方々に対応する体制作りができない、と書いてあります。
自分たちの規模と状況で、一番いいものを、マッチしている人に売る…ということで、自分たちの一番良いところを商品にしているんですね。
そして、それをシンプルに実行しているんだと思います。
地道に商売をしている人におすすめのブログです
ターゲットを明確にすることは簡単にできるんですが、実際にターゲット以外には売らない…というのは、なかなか勇気のいることです。
今、書き始めている「要らないものを売る商売」シリーズも興味が湧くタイトルです。
他にも面白い記事は「自己流ビジネス論」というカテゴリーに入っています。
いろんな取り組みにチャレンジして、なぜそうしたのか?考えが書いてある経営者ブログなので、リアリティがあって面白いです。
商売している人におすすめします。